クリプトスポリジウムは、牛、豚、犬、猫、鼠などの腸管寄生原虫として知られてきました。クリプトスポリジウムが体内に寄生することで、クリプトスポリジウム症が引き起こされます。

1976年には、人にも感染することがわかりました。

健康な人には感染しても症状が出ないか、少しお腹を壊す程度で、時間をおくと自然治癒する場合が多いです。

ですが、免疫機能が弱っている人の場合は、ひどい下痢や発熱、腹痛などの症状が重くなり、更に重症化すると命の危険さえあります。

哺乳類と同じく、カメや、ヘビや、ヒョウモントカゲモドキなどもクリプトスポリジウム症に罹ります。

今回は、ヒョウモントカゲモドキのクリプトスポリジウム症の症状などについて調べてみました。以下、クリプトスポリジウムを「クリプト」と略すことにします。

ヒョウモントカゲモドキ クリプト 症状

クリプトって……何?

胞子虫類原虫の種類の一つに、クリプトスポリジウムというものがあります。

胞子虫類とは、ごく小さな単細胞動物のことで、口や偽足や鞭毛などがありません。

その生態は、他の動物に寄生することでのみ生き長らえます。

クリプト原虫は病原体であり、寄生先の宿主の胃や腸で分裂しながら無性生殖を繰り返して増殖します。

時々、固い殻をもった胞子のようなもの(オーシストと言う)を有性生殖によって作り出し、便に混ざって宿主の体外に排出します。

なんらかの拍子で、次の宿主となる動物が経口摂取した場合、クリプト原虫は胞子のまま体内に入り込み、胃や腸にたどり着くと胞子から出て、次の宿主の元で、新たな寄生生活を始めるのです。

ヒョウモントカゲモドキの場合は、クリプト感染した個体から、糞や水を介して感染します。

健康な個体からは引き離しましょう。

人間の手によって感染を広げる可能性もあります。

感染した個体の糞や飼育器具に触れた後、そのまま健康な個体に触れたり、世話をしたり、また、飼育器具を使い回したりするなどです。

オーシストは塩素消毒に強い耐性を持ちますが、高濃度の塩素で長時間処理すれば、感染力や毒性を失わせることができます。

また、65度以上の温度、乾燥、紫外線処理によっても感染力や毒性を失わせることができます。

個人でできることは限られますが、クリプト感染したヒョウモントカゲモドキの飼育器具等を熱湯消毒するくらいならできそうです。

ヒョウモントカゲモドキのクリプト……その症状は?

クリプト原虫は強い感染力を持っており、ヒョウモントカゲモドキの飼育者を悩ませています。

クリプト感染し、発症すると、腸炎や胃炎下痢や嘔吐を繰り返し徐々に体重が減少していきます。

食餌を与え、きちんと摂取しているにも関わらず、ヒョウモントカゲモドキがどんどん痩せて衰弱していく症状を見ていることしかできず、飼い主にとっては辛いところです。

特効薬もありませんので、対処療法で様子を見ることしかできません

クリプト発症したヒョウモントカゲモドキの尾の脂肪がほとんど消失し、通常の半分の太さになった例もあります。

重症化すると、9割が命を落としてしまいます。

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まとめ

クリプト原虫はとても小さく、確定診断をすることはなかなか難しいです。

飼育下の爬虫類の4分の1~10分の1はクリプト感染していることがわかっており、新しいヒョウモントカゲモドキをお店で購入する際は、クリプト感染症状の兆候が見られないか、気をつけて観察してから購入しましょう。

自宅に連れて来たら、新しい個体は、元からいたヒョウモントカゲモドキとはしばらく隔離して様子を見ましょう。

ヒョウモントカゲモドキの世話をしたり、触れ合った後は、必ず手を洗うことを習慣づけましょう。

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