最近のエキゾチックアニマルペットブームに乗っかって、爬虫類を飼う人も増えていますね。
その中でも、ヒョウモントカゲモドキは、滅多に噛んだりせず、飼いやすいとされる人気のペットです。
ヒョウモントカゲモドキとは、ヤモリ科トカゲモドキ亜科アジアトカゲモドキ属に分類されるヤモリの仲間です。
ヤモリの仲間だから、「トカゲモドキ」なんていい加減な名前をつけられていて、少し可哀想な気もします。
さて今回は、ヒョウモントカゲモドキのお腹が青い状態について調べてみました。
お腹が青いヒョウモントカゲモドキ……ブルーベリーという新品種?
米国のヒョウモントカゲモドキブリーダーの巨匠であるロン・トレンパー氏が2015年に発表した新しい品種(モルフ)です。
突然、生まれた個体であり、体表の色彩の美しさに加え、手足の透明さ、華奢で優美な雰囲気、そして何より、青いお腹の色が特筆すべき点です。
というのも、ヒョウモントカゲモドキは青い色素を持っていないので、青色を体表に出すことは不可能とされてきました。
ですが、トレンパー氏が、それを覆す結果を出したのです。彼は、偶然の産物の青いお腹を持つヒョウモントカゲモドキに、新品種・ブルーベリーと名付けました。
しかし、ブルーベリーという品種を、後世に確実に定着し、育成していくにはまだまだ時間がかかるでしょう。
なぜなら、その一匹だけしか、お腹の色が青いヒョウモントカゲモドキは生まれていないからです。
優秀なヒョウモントカゲモドキブリーダーさんの熱意に賭けるしかないでしょう。
ヒョウモントカゲモドキ。胃内出血のせいで、お腹が青いこともある
外側からヒョウモントカゲモドキの白いお腹を見た時、それが透けて体の内部(食道や胃など)が青く見えている状態です。
ヒョウモントカゲモドキの餌は、基本的にはコオロギです。
冷凍餌もありますが、やはり、生きているコオロギの方が食欲は増すようです。
ところが、生きたままのコオロギを飼育箱に放しておいてヒョウモントカゲモドキに食べさせた場合、コオロギを丸呑みし、体内を噛まれてしまうことがあります。
本来は餌用途であるコオロギの元気が良すぎた場合ですね。
こういった症例は、ヒョウモントカゲモドキだけではなく、他のトカゲでもよくあることです。
ただ、噛まれるのが口腔内にとどまらず、生きたままのコオロギを飲み込んで、食道や胃を噛まれてしまうと内出血を生じ、お腹の中が青く見えます。
そのまま放っておけば、どんどん貧血状態になって悪化します。
診察時には、(出血多量のせいで)ヒョウモントカゲモドキの口の中が真っ白になってしまっていた例もあります。
手遅れにならないうちに専門病院に連れて行き、胃粘膜を保護する薬や、抗生剤や止血剤の投与をしてもらい、様子を見ましょう。
ヒョウモントカゲモドキにコオロギを食べさせる場合は、噛まれる事故を防ぐため、コオロギの頭を潰してから、ピンセットで1匹ずつ与えた方がよいでしょう。
ヒョウモントカゲモドキ。メスの場合は、卵管閉塞のせいで、お腹が青いこともある
外側から見て、メスのヒョウモントカゲモドキの白いお腹が透けて青い場合には、卵管閉塞が原因の時もあります。
卵を抱卵したまま産み落とせなかった時、残ってしまった卵殻が、内臓や卵管を圧迫し、出血したり、膿みが溜まったりします。
それを外側から見ると、お腹が青い状態になります。
こうなると、卵管に詰まっている物を、外科的に除去するしかなくなります。
ヒョウモントカゲモドキは、大人になると全長20~25㎝程度まで成長し、その辺の壁に貼りついているニホンヤモリに比べたら大きな個体と言えますが、やはり、外科的処置に耐えうるほど丈夫ではありません。
除去手術が成功したにせよ、その後の経過次第では最悪の結果を招くでしょう。
ヒョウモントカゲモドキは、総排出腔を持つ生き物です。
つまり、排泄物(糞尿)、卵、精子の出口は、全て同じ穴になります。
メスの場合は卵の形がいびつだったり、卵の大きさに比べて卵管の幅が狭すぎる等で卵管閉塞を起こしやすいのは、そのような体内構造が少なからず影響しているのかもしれません。
まとめ
ヒョウモントカゲモドキのお腹が青い状態について、いくつかの要因があることがわかりました。
単体のメスを飼育していて、卵管に無精卵が詰まってしまうケースもあるとはいえ、あまり安易に、オスとメスをペアリングすることは避けましょう。