ヒョウモントカゲモドキの性別は産み分ける事が出来ます。
何故なのでしょうか?少し整理してみたいと思います。
どうしてヒョウモントカゲモドキは卵の孵化で性別を産み分けられるの?
ヒョウモントカゲモドキなどのヤモリが含まれる一部のトカゲの仲間は、性別が孵化時の環境温度によって決定される事が一般的に知られています。
これは、性別の温度依存性決定:TSD(Temperature-dependent sex determination)と呼ばれるもので全てのワニ、多くのカメの仲間などでも同様の現象が起きる事がわかっています。
ヒョウモントカゲモドキの卵の孵化温度について
温度依存性決定には、卵の孵化温度が
(1)低温で100%雄、高温で100%雌
(2)低温で100%雌、高温で100%雄
(3)高温と低温で100%雌、その中間で雄の3つパターンがあります。
ヒョウモントカゲモドキは(3)のパターンである事がわかっており、実際に産み分けもされています。
ヒョウモントカゲモドキの場合、28度で100%雌、30.5~31度で雄と雌、32度で100%雄、34度で雌といわれています。
又、孵化温度が低温の方が孵化率があがりますので雌を産み分けるには、通常28度で孵化が行われます。
ヒョウモントカゲモドキの卵の孵化におけるTSDのメカニズム
温度依存性決定は、卵の胚発生が18%~30%の状態の時に決まります。
ヒョウモントカゲモドキの場合、例えば孵化日数を50日とすると9日~15日の間がその期間となりますが孵化日数自体が個体差がある為、あくまでも参考として下さい。
性別を決定付ける要因としては、温度依存性決定期間で合成される男性ホルモンを女性ホルモンへ変換する為に使用される酵素が温度によって働くかどうかで起きるとされています。
簡単にいうと雌が生まれる温度では酵素が働いて一度合成された男性ホルモンが女性ホルモンに変換されてしまい雌に、雄が生まれる温度では酵素が働かず男性ホルモンが変換されないので雄になります。
又、どちらの性別かわからない温度では酵素の働き具合で男性ホルモンと女性ホルモンの濃度が決まる為、男性ホルモンの濃度が高い場合には雄、女性ホルモンの濃度が高い場合には雌になります。
まとめ
ヒョウモントカゲモドキの卵が孵化期間に性別の決定していく過程について簡単に整理してみました。孵化期間の前半で性別が決まるのでその期間の温度管理は産み分ける際に非常に大切となってくる事が理解出来ます。