ヒョウモントカゲモドキの卵が柔らかいのには、どの様な意味があるのでしょうか?
卵のつくりなどから考えてみたいと思います。
爬虫類の卵は2パターン
ヒョウモントカゲモドキの様な爬虫類の卵には、「硬い卵」と「柔らかい卵」の2パターンがあります。
「硬い卵」は鶏の卵を思い浮かべて頂ければ良いと思います。
一方、「柔らかい卵」は、膜状の殻で包まれており、弾力をもっています。
「硬い卵」と「柔らかい卵」では一体何が違うのでしょうか。
硬い卵と柔らかい卵 卵殻の構造
「硬い卵」と「柔らかい卵」の卵殻は、両方とも炭酸カルシウムを主成分として形成されています。
2つの卵の卵殻の違いは、「硬い卵」は炭酸カルシウムが緻密な結晶となっており、「柔らかい卵」は繊維状の卵膜に炭酸カルシウムが疎らに散らばった状態になっている点です。
この構造上の違いで「硬い卵」は内部の水分が失われ難く、「柔らかい卵」は内部の水分が失われ易くなります。
その為、「硬い卵」は乾燥した環境下でも発育する事が出来ますが、「柔らかい卵」は外部から水分を吸収しなければ発育できない為、湿度の高い環境が必要となってきます。
その様な事から考えてもヒョウモントカゲモドキの孵化環境は高湿度状態が必要である事がわかります。
では、どうして爬虫類の卵には「硬い卵」のものと「柔らかい卵」のものが存在するのでしょうか?
ヒョウモントカゲモドキの卵殻の進化と
爬虫類は、原生動物→無脊椎動物と脊椎動物に別れる→脊椎動物から魚類が出現→淡水に住める魚類→両生類→爬虫類という進化を遂げてきました。
更に爬虫類は鳥類へ進化を遂げていきました。
この内、魚類~鳥類の進化において卵に着目すると「柔らかい卵」→「硬い卵」へと進化しているのがわかります。
魚類と両生類の卵は柔らかいものばかりです。
鳥類の卵は硬いものばかりです。
爬虫類の卵に「硬い卵」と「柔らかい卵」の両方が存在するのは、ある意味で進化の過程の結果を表しているものだといえるでしょう。
まとめ
ヒョウモントカゲの属するヤモリの仲間はトカゲの仲間のなかでも比較的「硬い卵」を産む種類が多く存在しており、ヒョウモントカゲモドキは他の多くのヤモリの仲間と違った環境で進化を遂げた結果といえるでしょう。これらの事から考えてみてもヒョウモントカゲモドキはヤモリの中でもより進化せず、現代に生き残っている貴重な種類だといえるのだと思います。