ピンクマウス? ピンクパンサーではありません……

聞き慣れない名前ですよね。

猛禽類(鷲やミミズク等)や爬虫類(ヘビ、トカゲ、ヒョウモントカゲモドキ等)を飼うにあたっては、避けては通れない餌……とまでは言い過ぎかもしれませんが、餌として重要な位置づけであることは間違いありません。

ピンクマウスとは何か、ヒョウモントカゲモドキがピンクマウスを食べない、等の対処法について調べてみました。

ヒョウモントカゲモドキ ピンクマウス 食べない

あのミッキーマウスだって、元々はピンクマウス!

みんなが大好き、ミッキーマウス! でも、ミッキーマウスのモデルになったネズミをご存知ですか?

困窮していたウォルト・ディズニーが作業場で見かけた小さなハツカネズミ。それが、ミッキーマウスのモデルなんです。そのハツカネズミにとても親しみを感じたからこそ、ミッキーマウスという素晴らしいキャラクターが生まれたんですよね。

実は、ハツカネズミの赤ちゃんが「ピンクマウス」と呼ばれるものなんです。

生後間もないピンクマウスは、ピーナッツくらいの大きさです。

爬虫類や猛禽類用の餌としてお店で販売されており、通販でも購入可能です。

生まれたばかりで毛も生えておらず、見た目がピンク色(というか、縮れた小さな肉の塊のようですが)のため、ピンクマウスという名称で呼ばれます。

ハツカネズミの名称は、妊娠から20日程度で出産することから来ています。3週間程度の妊娠期間を経て、一度に2~7匹くらいの赤ちゃんネズミ(ピンクマウス)を産みます。

野生のハツカネズミの体色は、黒、褐色、灰色、ベージュ、白などと、かなりバリエーション豊富ですが、ペットショップ等で売られているハツカネズミは、真っ白い体(アルビノ種)で真っ赤な目を持つ個体が多いです。それから考えると、餌用に売られているピンクマウスも、アルビノ種である白ハツカネズミの赤ちゃんの比率が高いです。

というのも、爬虫類の餌用に、凍らせて販売しているピンクマウスと、活きたまま販売しているピンクマウスがあるのですが、活きているピンクマウスを買って帰って、ペットの餌用に増やす場合を考えると、白ハツカネズミの方が、明らかに見た目が良いですからね。

凍ってるし……

ヒョウモントカゲモドキは、本来肉食で、昆虫類やクモ類、また小型爬虫類も食べます。

部屋を散歩させていて、目を離した隙に、壁にくっついていたニホンヤモリをウッカリ食べてしまった! なんて話も聞いたことがあります。

飼育下のヒョウモントカゲモドキには、昆虫(コオロギなど)を主食にして与えますが、ピンクマウスも与えることができます。

ただ、ピンクマウスは栄養分が高すぎるため、飽くまで補助的な餌として考えてください。

また、幼体のヒョウモントカゲモドキには与えないでください。

大人になったヒョウモントカゲモドキに更なる栄養をつけさせるため、ピンクマウスにチャレンジする方も多いと思います。

そんな時、真空パックされた「冷凍ピンクマウス」なる便利なものが販売されています。

これを、自然解凍(時間がかかります)、湯煎(一般な手法です)、または電子レンジ(調節が難しく、ピンクマウスの体が膨張、破裂する危険性も!)などで完全解凍してから、ヒョウモントカゲモドキに与えます。

冷凍ピンクマウスは、基本的にほぼ無菌状態で管理された環境下で育てられたものを冷凍しています。

解凍した時点から鮮度が下がっていくので、必要な量と食餌時間に注意しながら与えましょう。

食べないし……

ピンクマウスを食べない理由はいくつか挙げられます。

  1. 喰わず嫌い→餌の好き嫌いがハッキリしている個体で、最初から食べず、見向きもしない。

  2. 食欲不振や消化不良気味→体調に問題がある。

  3. 餌として認識できていない。

 

ヒョウモントカゲモドキは案外神経質な生き物で、動きのある生餌を好みます。

ピンクマウスを目の前に置くだけでは、餌として認識しない場合があります。

そんな時は、ピンセットでつまんで、ヒョウモントカゲモドキの前に差し出して振ってみたり、または、斜め後方あたりでチラつかせたり、いろいろな工夫をしながら、ピンクマウスがいかにも生きているかのように錯覚させましょう。

ヒョウモントカゲモドキが反射的にパクッ、むしゃむしゃ、ごっくん、ならOKです。

勿論、予め、ピンセットによる給餌に慣らしておく必要があります。

与えるピンクマウスの大きさが大きすぎたり、重過ぎたりすると、ヒョウモントカゲモドキがせっかく咥えても放してしまったり、最悪、顎が外れてしまうこともありますので、顔の半分ぐらいのサイズのピンクマウスを与えてください。

やっぱり食べないし……

ヒョウモントカゲモドキは、飲み込めなかった餌をグチャグチャ噛みまくった後、ぺっ、と吐き出します。一度、嫌だなと感じた餌には二度と喰いつかなくなることも多いです。

  1. ピンクマウス体表面に、コオロギ汁など、普段食べている虫の汁を塗ってみる。

  2. ピンクマウス体表面に、普段から使っているカルシウム剤を振りかけてごまかす。

  3. 主食のコオロギに紛れ、隙をついて食べさせてみる。

  4. 食欲が出るように、しばらく空腹状態にする。

など、工夫してみましょう。

尚、ピンクマウスは、ヒョウモントカゲモドキがどうしても食べなければいけない餌ではないので、手段を講じても食べない個体は無理強いせず、「そのうち食べるかも」くらいで楽観的に考えましょう。

逆に、ピンクマウスばかり食べさせていると、コオロギなどの昆虫を食べなくなってしまいます。

余談

これは余談ですが、活ピンクマウスを爬虫類用の餌用に買ってきたはずなのに、あまりの可愛らしさから飼ってしまう人もいるとか……

冷凍されていないピンクマウスを、人は餌認識できず、ふと情が移ってしまうものなのでしょうか。

そう言えば、「アルジャーノンに花束を」の中にも、大変賢いハツカネズミが出てきますね。

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まとめ

ピンクマウスは丸ごと一匹のネズミの胎児です。栄養価が高く、価格もリーズナブル、冷凍なら保存や管理も簡単なので、餌として利用できれば、とても有効に活用できます。

ですが、ピンクマウスを問題なく食べてくれるヒョウモントカゲモドキもいれば、頑として食べない個体もいます。

それぞれの個体の嗜好を見極めましょう。

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